全国三カ所の水族館で実施したリアルイベントです。謎を解くことで、地球温暖化による海の酸性化や温暖化、サンゴの白化現象、マイクロプラスチックの問題や乱獲・混獲といった漁業に関連する海洋問題まで、幅広い内容を学ぶことができるようになっています。
また、朝の視聴率第1位の情報番組「ZIP!」での3年間の放送と、日本最大規模の映画館チェーン「TOHOシネマズ」での露出による高い認知度を保有するアニメキャラクター『貝社員』(©2022 TOHO CINEMAS LTD. / DLE)とコラボし、集客の最大化を図るとともに老若男女問わず親しみを持って楽しめる謎解きイベントを実現しました。
①まず水族館のインフォメーション付近で専用の謎解きキットを受け取ります。
※感染症対策としてスタッフは配置せず、非接触型の運営方式としました。
②キットに書かれた二次元コードを読み取り、特設サイトにアクセスします。
③水族館内に設置された「手がかり」のパネルを探し出し、冊子の謎を解いていきます。
④全ての謎を解き明かして手に入った「合言葉」を伝えると限定のオリジナルステッカーをGET!
以下の例は、地球温暖化による海の「酸性化」をテーマにした謎です。
▲謎解きキット(冊子)の情報
▲手がかりパネルの情報
冊子には穴の開いた貝殻が描かれています。
一方、手がかりパネルには穴が開く前に撮られた貝の写真が描かれています。
答えは、穴の部分の欠片であると書かれていますので、穴が開く前の状態と見比べてどこの部分が穴になってしまっているのかを考える必要があります。
例えば、緑色の貝の場合はもともと「とき」と書かれていますが穴が開いてしまった部分は「き」のなかの下の部分で、「さ」と読むことができそうです。
このようにして、穴が開いてしまった部分だけ文字を拾っていくと「さんせいか」という答えが出てきます。
「さんせいか」とだけ聞くといまいちピンとこない単語ですが、それこそがこの単語をきちんと記憶に残すための仕掛けになっています。
解答を特設ページに入力すると解説を読むことができ、「さんせいか」という答えが海の「酸性化」のことであり、地球温暖化の原因でもある二酸化炭素が海に吸収されることで海水の成分が中性に近づいているということを知ることができます。
この海の酸性化は、現実の世界でも大きな問題となっており、今回の謎でも扱ったような「穴が開いた貝殻」が見つかったり、貝殻と同じく炭酸カルシウムでできているウニの”トゲ”の生育が阻害されていることが明らかになったりしています。
こうした海洋問題をただ謎にするのではなく、きちんとテーマに沿った謎として落とし込むことで、より記憶に残りやすく学びになる作品になるのです。
また、こうした解説文は全ての人がきちんと読んでくれるわけではないので、謎解きの途中に「復習パート」を設け、解説をきちんと読まないと解くことができない謎を用意しました。
このように、普及啓発の謎解き作品をつくるうえでは、興味づけや回遊動線、教育要素へのエンゲージメント強化等さまざまな要素を考慮しながら設計する必要があるのです。
海のためのアクションといっても、その切り口はさまざまで、「カフェでマイタンブラーを使おう」といった一般的なものから、フードロスの観点から飲食店で「魚をきれいに食べよう」という動画をみて実際にその食べ方に挑戦するといった今まであまり目を向けてこなかった課題に対するアクションまで、一辺倒な啓発になってしまわないよう配慮して設計と調整を行いました。
朝の全国情報番組『THE TIME,』でご紹介いただきました。
2022年10月7日放送『THE TIME,』(TBSテレビ)
番組HP:https://www.tbs.co.jp/thetime_tbs/